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さらば、クロ!(感謝と懺悔)

クロが旅立つまでの約1ヶ月、オレは異常なまでにクロに固執した。
帰宅して玄関のドアを開ける前、ここからオレはカーロ家の父さんなのだ、
何度も自分に言い聞かせた。そうしないと、家の中までクロへの気持ちを
持ち込んでしまうからだった。

オレがクロに拘った理由は2つある。
1つは彼への感謝の気持ち、もう1つはクロへの思いが強すぎて、ある犬
を死に至らしめたこと。

クロへの感謝・・・・・
今の会社で、オレはある部署を任された。特殊な分野ではあるが、オレは
ある程度の知識と経験を有していた。しかし、内情を知って唖然とするしか
なかった。問題の根は深く、複雑に絡み合っている。
周囲も大変だねと声を掛けてくれるが、スタッフはオレ1人である。聞けば、
過去に複数の人間が採用されたが、いずれも解決を見ないまま去っている
とのこと。自分の会社を廃業して勤め人に戻ったオレは、家族に苦労を掛け
ていただけに絶対に失敗は許されなかった。

何とか、1年で解決出来た。
ストレスは強烈だったが、家計の厳しい状況を引き起こしたのはオレである。
家族の前で、辛いだの苦しいだの、泣き言や愚痴を言う訳にはいかないのだ。

ブログ②
クロ、いつもお疲れさん。

そんな心情を抱えて仕事をこなす日々、いつもそばにいたのがクロだった。
季節に天気に時間に関係無く、オレが場内での仕事の為に移動し始める
と、必ず一緒に来た。そして、オレの仕事が終わるまで、じっと待っていたな。
オレが休憩で腰掛けると、いつも隣にやって来て座っていたよな。
お前と並んで座っているだけで、どれだけ心が和んだか、慰められたか。
ありがとな、クロ。お前のお蔭でやり遂げられた部分も大きいんだよ。
お前は仕事でのオレの相棒のような存在だったよ。
時折、お前に愚痴を聞いてもらったけど、お前はただ静かにオレの横に
いてくれた。それが嬉しかったんだよ。


今でも忘れられない、あの犬のこと。

クロとの出会いは平成23年10月だった。
当時、群れは既にクロ・ふう・コロとゴエモンの兄弟の計4頭に減っていた。
依然としてボスはクロであったが、普段から執拗に威嚇していたふうに逆襲
され、コロとゴエモンもクロに襲い掛かった。ボスの座からの陥落の瞬間で
あった。偶然、その場面を目撃したのはオレ1人。その日は仕事納めの12月
30日のことだった。

その瞬間を目の当たりにして、オレはクロに対して激しく情が移った。
老いゆくクロに、もう若くはない自分が重なり、何とも切ない気持ちになった。
ボスの座を追われたクロが心配で心配で、年末年始の休みも山に通ったが、
オレの用意したゴハンを、クロとふうは仲良く?並んで食べていた。(苦笑)
結局、クロはトップを退いたが、ふうがボスになることはなく、以後は何となく
年功序列的なまとまり方だった。

平成24年6月、クロが野犬の群れに襲撃されて大ケガを負った。年齢的に
もう無理かと思ったが、クロは奇跡的に自力で回復した。
9月、次にゴエモンが同じ群れにやられ、命を落とした。最も小柄だったが、
とても賢い犬だった。次のボスはゴエモンと思っていたのだが。
10月、今度はゴエモンの兄のコロがやられた。首をズタズタにされていたが、
何とか一命は取り留めた。
同じ群れに再三襲撃されたが、強い者が生き残り、弱い者は去るのが彼らの
社会の掟。人間が介入すべきではない、オレはそう思っていた、あの日までは。

ブログ①
ようやく傷も癒えた頃。

11月某日、いつものように施設の点検を終え、事務所に歩いて戻る途中のこと。
オレの数メートル先にクロがいた。事務所手前の下り坂で突然5頭の野犬の群れ
が現れて、クロに襲い掛かった。
すぐに気が付いたオレは、見覚えのある群れのボス犬目掛けて一直線に走りだし、
思い切り蹴飛ばした。群れは一目散に逃げ出して姿を消した。
幸い、クロは軽傷で済んだが、オレは事務所近くで白昼堂々とクロを襲ったことに
激怒した。

もう我慢ならん!
保健所に電話してすぐに来てもらい、捕獲用檻の設置をお願いした。頭に来ては
いたが、捕まって殺されろとは思ってはいなかった。野犬も経験から保健所の車
が出入りする意味や檻の危険性は知っているので、捕まる可能性は低いが此処
に近づかない、つまり再度の襲撃を防ぐ効果は十分あることを、職員の方に確認
した上での檻の設置だった。オレもそれで十分だった。
(一度捕獲された経験を持つクロは、時折巡回に来る保健所の車が、場内に進入
する前の、車体も音も全く確認出来ない時点からすぐに山林に姿を隠し、普段は
一切吠えることをしないのに、この時だけは保健所の車が帰るまで激しく吠えて
姿を見せないことからも、野犬の群れに効果はあるとオレは思っていた。)

しかし、翌日に群れの1頭が檻に入っていた。
怖いのであろう、必死に吠えていた。そばにはあのボス犬が、怒りに満ちた様子
で唸っていた。お前が調子に乗って、何度も襲うからや。ボス犬を怒鳴りつけた
が、想定していなかった事態が起きてしまい、オレ自身も混乱していた。

その犬は保健所のホームページの保護・収容欄に、4歳位・メス・雑種と写真付
で掲載されていた。迷い犬や子犬ならお迎えや譲渡等の可能性があるが、この犬
は野犬の成犬の為、3日間収容後に殺処分となる。職員の方の言葉通り、4日目
にその犬の写真はホームページから消えていた。

その後、野犬の群れが姿を見せることはなかった。
結果的にはクロを守ることが出来たが、1頭の犬の命を奪ってしまった。
今でも、あの犬の哀しい怯えた叫びが耳に残っている。
クロを想う時、あの犬のことは避けては通れない。

先日、県の動物管理所に行った。
慰霊碑の前で、あの犬に本当に申し訳け無かったと詫びた。
今更、詫びてどうなる訳ではないが、彼女が命を失った場所に出向いて、詫びる
と共に冥福を祈りたかった。
そして、クロが旅立ったことも報告した。

| 山の番犬 | 20:34 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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